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ヤマトシジミ

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佐鳴湖で育成するヤマトシジミの肥満度の調査

1目的 佐鳴湖に流入する北部の段子川河口域と湖内東岸で養育しているヤマトシジミの肥満度を測定し、佐鳴湖がヤマトシジミの栄養状態に与える影響を調べる。

2調査地点 段子川河口域と東湖岸

(1)段子川河口について

河川運搬により砂礫が堆積し、シルト質の軟泥の堆積はほとんどない場所である。これまでのヤマトシジミの生存調査で初春に籠に入れて保管しておくと秋には20mm以上の出荷サイズにまで急速に成長することが分かっている。生存率も高く夏の高水温期も斃死することはほとんどない。それは潮汐により下げ潮時には段子川の淡水に覆われ水温が低下し、佐鳴湖の夏の高濁度水には暴露されないからと考えている。水深は潮汐により0.1~0.6m程度で変化する。この段子川河口域は、夏に人工受精しシジミ育成ハウスの水槽で成長した稚貝を、翌年の初春に移し籠に入れて育成する場所で、稚貝の育成、親貝の保管場所として利用している。この河口域でヤマトシジミの自然繁殖はまだ確認できていない。ヤマトシジミの受精卵は2psu(‰)以下では発生が途中で停止し死ぬことを実験から確認している。文献にも同様な記載がある。段子川河口域でも放卵、放精は行われるが受精しても発生過程で死んでいると推定している。

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図 塩分 赤線が北岸の河口域 下げ潮で塩分が1‰以下に低下する。潮汐による塩分変化大きい場所である。

(2)東岸について

ヨシ植栽により造成された垂直湖岸で、潮汐により水深は1.6~2.1mに変化する。湖心の1.7~最大2.5mとほぼ同じである。ヤマトシジミは夏に多くが斃死するが、生き残る個体の成長は段子川河口域と同様に大きく、雌雄成熟し人工受精に供することができる。

3調査方法:籠に入れて毎月1回20個取り出し、下の計算式で肥満度を測定した。

肥満度=軟体部乾燥重量g×1000/(殻長mm×殻高mm×殻幅mm)

4結果

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段子川河口では4月が最も大きく0.050で6月に下がり始め9~10月に0.014と最も低くなり、11月には0.040と回復した。東岸も同様な傾向であるが4月の最大値は0.041で9月の最小値は0.01で、段子川河口と比べると最大値が小さく、最小値が大きい結果となった。下に示した宍道湖のデータと比較すると佐鳴湖のヤマトシジミの方が肥満度は高く、餌が豊富であると推定できる。段子川河口が東岸より肥満度が大きいのは、栄養状態が良く、餌環境が良いと推定できる。最低値が小さいのは、肥満度の減少を放卵、放精と仮定すると、段子川河口の方が成熟度が高く放卵放精も活発に行われていると推定される。

自然繁殖、着底稚貝が確認できないのは、受精卵の発生に適した塩分濃度は2~3‰以上が必要(文献調査と筆者の追実験で確認)で、段子川河口域は1‰以下に低下するので、例え受精が行われても発生過程で死滅すると推定している。下げ潮で受精卵が湖内に移動し、幼生の発生が進み、着底稚貝として段子川河口域に戻ってこなければ段子川河口での繁殖は困難と考える。夏は藍藻(シネココッカス)が優占し、餌の質が低いと言われる湖水環境で肥満度が高いのは、ヤマトシジミが何を餌としているのか、その難しさを示している。ろ過する有機物の中の何を餌として利用しているのか明らかにすることが課題である。

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