目次
2.切り取ったニンジンはどちらが重いか
3.紙の上の割り箸
4.椅子から立ち上がる
1.不定形物体の重心の位置 トップへ
重心とは、物体を構成する分子に働く重力が、一点に集中して働く作用点を重心という。重心の位置は位置が変わっても変化せず、必ずしも物体の内部にあるとは限らない。物体を鉛直線で吊った時、重心は鉛直線上にある。
材料 | 段ボール、紙、糸、定規、はさみ、トンボの型紙(下図) |
方法 | 1 段ボールで不定形な形を切り取り、どこでも良いので任意に三点を決め、穴 をあける。 2 穴に糸を通し、ぶら下げ糸の方向に定規をあて、直線を引く。これを三か所 行う。 3 3本の直線がまじわる点、もしくは作る三角形の中央に印をつける。 4 印が重心になるので指などで支えてみる。 5 トンボの型紙を切り抜き、糊付けしトンボを製作する。トンボの口先の部 分で物に留まることがわかる。 |
トンボの重心は両側の羽を結ぶ直線の中央から上下に引いた直線にあり、目の部分がこ
の直線上にあるので、バランスを保つことができる。
2 切ったニンジンはどちらが重いか トップへ
材料 | ニンジン 糸(紐) 天秤(秤) |
方法 | ニンジンを糸で巻き水平に保つ。釣り合った点で二つに切り、どちらが重いか
天秤で調べる。 |
結果 | 太い方が重い。 |
説明
糸で釣り合っている点には人参の重心があり支点で支えている。この点からそれぞれの重心までの距離と重さの積が釣り合っている。この図よりbはaよりも大きいのでAが重くなる。
3 紙の上の割り箸 トップへ
材料 | 割り箸 厚紙 |
方法 | 厚紙を二つに折り、その上に割り箸を置く。厚紙をゆっくり開いていく。 |
結果 | 割り箸は落ちずに、紙を真っ直ぐに伸ばした状態で、紙の上でバランスを保っ
て落ちない。割り箸と紙との間に摩擦力が働き、割り箸の重心が紙の上にくる。 |
4 椅子から立ち上がる トップへ
材料 | 椅子 人 |
方法 | 椅子に深く腰掛け、もう一人が座っている人の額を指で軽く押す。立ち上が
ってみる。 |
結果 | 立ち上がることはできない。 |
説明
座った状態から立ち上がる時には、重心を前に移動しなければならない。指で額を押されると、重心の移動ができないので立ち上がることができない。
その他の例
・壁につま先を付けて立った状態から、踵を上げてみる。踵を上げることができない。これは、踵を上げる時に重心を前に移動しなければならないが、壁が障害になって重心を移動することができないからである。
・体の側面を壁に付けて立ち、外側の足を上げてみる。重心を移動できないため上がらない。