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輪ゴムを利用した実験

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目次

1.輪ゴムによる力の合成と分力

2.摩擦力の測定

3.輪ゴムを直列と並列につなぎ伸びを比較する

 

バネばかりを利用せずに、力の合成、摩擦力の実験を行う

1 輪ゴムによる力の合成と分力 トップへ

ねらい:平行四辺形の対角線が力の合成を表し、力の分力が辺になることは学習をし

ている。しかし、このことを実際に確かめる実習をする機会は少ないように思わる。

ばねばかりがなくても輪ゴムを使って簡単に実験ができるので力の合成と分解につ

いて学習をする。

材料 輪ゴム 定規 三角定規 糸 クリップ
方法 1 輪ゴムを二本用意し輪ゴムの端に糸を結ぶ。

2 輪ゴム同士の結び目を基準点とし、この基準点が5cm伸びるまで糸を引っ張り、この時の基準点の下の方の輪ゴムの長さを測定する。

3 図のように輪ゴムを2本留め、糸を結び、つないだ二本の輪ゴムの間の角度が60°、90°、120°になるように大きな三角定規を当てて、開いた角度がずれないようにして基準点が5cm伸びるまで糸を引っ張る。

4 この時の輪ゴムの長さを測定する。

結果

ゴムの自然長さ 8cm

5cm伸びた時のゴムの長さ
1本の場合 20cm
2本の場合ゴムの角度60° 11.5cm 対角線(合力)の長さ19.9cm
90° 14cm 19.8cm
120° 14cm 19.8cm

このように基準点を一定の長さ伸ばす時に必要な力は、開いた角度が大きいほど大きくなり、力の合力は等しいことが理解できる。二人で重いものを持って運ぶ時に腕の角度により加える力の大きさが違うことが理解出来る。バケツに水を入れて二人で持った時、腕にかかる負荷の違いの感覚的が二人の腕の角度により異なることが理解出来る。

2 摩擦力の測定 トップへ

ニュートンばかりがない場合どのように摩擦力を測定したらよいか。輪ゴムを利用して摩擦力の実験をし、摩擦力、摩擦係数を求め、その次にニュートンばかりを利用した通常の実験をし、両者の結果を比較して、輪ゴムでも摩擦力の実験ができることを検証する。

2-1 輪ゴムを利用した摩擦力の実験

ねらい 輪ゴムを利用した摩擦力の実験を工夫し、摩擦力について理解する。
材料 長方形で底面積が異なる木片(質量を測定しておく) 輪ゴム サンドペーパー フック 段ボール 分銅(100g 200gなど)定規 クリップ 竹ひご
方法 実験1 静止摩擦力の測定

1 木片の二面をサンドペーパーで磨き一様な性質の面にする。サンドペー

パーがない場合は凹凸のある面で擦る。

2 木片にフックを付けバネばかりで引っ張れるようにする。フックがない場合は糸などで工夫してバネばかりで引っ張れるようにする。

3 輪ゴムの両端にゼムクリップを取り付け、木片のフックに取り付ける。

4 ダンボール、机など面の性質が一様なところを実験場所とし、木片を置き図のように定規を置いて、輪ゴムを水平に引くようにする。

5 輪ゴムの伸びに読み方は、輪ゴムから定規に垂直に竹ひごなどを立て、できるだけ読み取りの誤差がないようにする。

6 始めに木片だけゼムクリップを指で持ち、ゆっくり引いて、動き始める時

の輪ゴムの伸びの長さを記録する。これを10回繰り返すとよい。

7 同じ面で分銅(100g、200g)を木片の上にのせ、同様な方法で行う。

結果

重量g 輪ゴムの伸びcm(n=10回平均)
200 1.80
300 3.06
400 4.38

物体の重量(質量)と輪ゴムの伸びの長さとの間には正比例の関係があることがわかる。物

体の質量が大きくなるほど動きにくく静止摩擦力が大きくなる。

実験2 接地面積の違いによる摩擦力の測定

ねらい多くの生徒が、接地面積が大きくなると摩擦力も大きくなると思い込んでいるの

で、これが違うことを確認する。

同じ直方体を2本用いて、図のように2段重ねにした場合を狭い面積、横に連結した場合

を広い面積とした。

方法 木片の面積を測定する。木片の質量は200g

狭い面 4.0cm×12.1cm=48.4cm2
広い面 48.4cm2×2.0=96.8cm2 

この二つの面積で輪ゴムの伸びの長さを比較して摩擦力の違いを調べる。

結果

面積 cm² 輪ゴムの伸び cm (n=10回の平均)
48 1.78
96 1.79

面積が二倍でも輪ゴムの伸びの長さには違いがなく、静止摩擦力は接地面積の大小には影

響されないことがわかる。上の実験と合わせて、静止摩擦力の大きさは、物体の質量に正比

例し、その接地面積には影響されないことがわかる。

実験3 輪ゴム定数の測定

ねらい バネばかりにはバネ定数があり、バネの弾性力の特性を表す。フックの法則に示されるように、かたいバネはバネ定数が大きく柔らかいバネはバネ定数が小さくなる。同様に弾性力のある輪ゴムにも伸び方には特性があるはずである。ここでは輪ゴムの伸びの特性を輪ゴム定数と名付けて測定する。
材料 輪ゴム 分銅 定規
方法 1 輪ゴムに分銅を吊るし、その伸びの長さを測定する。分銅を組み合わせて20g

40g 50g 100g150gなど質量を調節する。実験1、2で輪ゴムの伸びが5cm以

内であったので、吊るす分銅の重量は伸びが5cm以内のものとした

結果

分銅質量g 引張り力N 輪ゴムの伸びの長さcm
10 0.098 0.6
20 0.196 1
30 0.294 1.2
40 0.392 1.7
50 0.49 2
60 0.588 2.4
70 0.686 3
80 0.784 3.4
100 0.98 4.5

輪ゴム定数の求め方

質量(kg)を重力(N)に換算し、例 100g 0.1kg×9.8m/s2=0.98(N)

輪ゴムの伸び(cm)と分銅にかかる重力(N)の関係のグラフより求める。

グラフの傾きがフックの法則 F=kxのバネ定数k=F/x に当たる。グラフのx軸は0.1cm

間隔なので、傾きの0.0227を10倍し0.227とし、この値が輪ゴムの伸び1cm当たりの分

銅にかかる重力の大きさとなる。これを輪ゴム定数と呼ぶ。

輪ゴム定数(k)=0.227N/cm

この実験はフックの法則F=kxの確認にもなる。kが輪ゴム定数である。

4 次に輪ゴム定数を用いて摩擦力に換算する方法を検討

輪ゴム定数(N/cm)×ゴムの伸びの長さ(cm)=輪ゴムを引っ張る力(N)となるので、この力が

木片が動き出すときの静止摩擦力となる。

例 輪ゴムの伸びが2.0cmの時の静止摩擦力は

0.227N/cm×2.0cm=0.454Nとなる。

この方法で実験1の結果を静止摩擦力に換算すると

物体の質量g 動き始めの輪ゴムの伸びcm(n=10の平均) 換算静止摩擦力N
200 1.80 0.408
300 3.06 0.695
400 4.38 0.994

次に摩擦係数を換算する。

摩擦力は F=μNで表され μは摩擦係数、Nは垂直抗力である。

μ=F/Nなので、これに代入して求める。

物体の質量g 垂直抗力N 静止摩擦力 静止摩擦係数
200 1.96 0.408 0.208
300 2.92 0.695 0.237
400 3.92 0.994 0.253
静止摩擦係数は必ずしも一致はしなかったが、ニュートンばかりがなくても輪ゴムと分銅、質量のわかった木片などが用意できれば、摩擦力の実験は可能である

5 検証 輪ゴムによる実験とバネばかりによる実験の比較検証

ねらい 輪ゴムを利用した場合とバネばかりで測定した場合の摩擦力、摩擦係数につ

いて一致するか検討する。実験の条件は同じである。

(1)輪ゴム定数とバネ定数の比較

バネ定数は分銅を吊るし、その伸びの長さから求めた。輪ゴム定数は前述に記載。

輪ゴム定数 0.227N/cm  バネ定数 0.145N/cm

輪ゴム定数の相関係数R2=0.99と高く、バネ同様に弾性体として摩擦力の実験に利用でき

ることがわかった。

(2)静止摩擦力の比較

物体の質量 g 輪ゴムによる静止摩擦力N バネばかりによる静止摩擦力N
200 0.408 0.644
300 0.695 0.914
400 0.994 1.04

結果 グラフの相関係数R2を見ると、輪ゴムがR2=0.999で、バネばかりは0.957で輪ゴムの方がより正比例の関係を示し、輪ゴムでの摩擦力の実験が有効であることがわかった。

3 輪ゴムを直列と並列につなぎ伸びを比較する トップへ

方法 輪ゴム2本(A、B)を図のように直列つなぎと並列つなぎにして、輪ゴムの伸

びの長さを測定する。

輪ゴムA、Bの直列とへ並列つなぎ

分銅 (g) 2本直列

輪ゴムの伸び(cm)

2本並列

輪ゴムの伸び(cm)

50 2.9 0.5
100 6.9 1.3
150 12.3 2.2
200 3.2

輪ゴム定数 直列つなぎ 並列つなぎ
理論値 13.12N/m 59.20N/m
実験値 11.85N/m 58.40N/m

直列つなぎ、並列つなぎともに実験値は理論値に近い値となった。

結論

結果はバネの実験と同じになり、輪ゴムがバネの代用になることがわかる。
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