シリアで革命が始まったのは、少数派の支配、表現の自由の抑圧、政権の汚職への抗議であった。政府は対話で解決しようとしたが、軍が反対し武力で鎮圧、それに対する抗議活動をさらに武力で抑えるという悪循環に陥り内戦状態になった。そこにISが勢力を拡大、武力衝突が深刻になり、先進国は平和を取り戻すという名目で武力介入し、空爆などで多数の市民が死亡した。避難を余儀なくされた市民は、ボートで地中海を渡り途中で命を落とし、たどり着いたヨーロッパでも平穏な生活は保障されていない。その間も、日本などの先進国をはじめ多くの国々が、シリア政権をODAプロジェクトなどで支援してきた。援助は内政不干渉が原則であり、独裁政治を批判することなく支援してきたことも否定できない。世界の独裁政治体制は53ケ国(エコノミスト・インテルジェンス・ユニット英国2014年)あり、国民の基本的人権が侵害されている国は多く、新たなシリアが起きる可能性は潜在的にある。支援の在り方を根本的に見直す必要がある。援助国は、民主的政策をとらない国への援助を一時停止するのも方法の一つである。支援が底辺の国民には届いていないという批判もあり、民主的政治への変化、基本的人権の保障なしには、国連が目指す貧困の撲滅、平和は達成できない。