防衛省安全保障技術研究推進制度(軍事研究)とは何か

破損に強い強化繊維の開発を企業が独自に行うのは軍事研究ではなく、防衛省が行えば装備品開発で軍事研究である。では防衛省が発注し、企業が製品開発したものは軍事研究ではないのか。企業を大学や研究機関に置き換えても同じである。企業にとって、資金援助を受け研究開発ができ、営業成績に繋がれば魅力的なことである。研究費不足の大学の研究者にとっても同様である。これが、今回の防衛省安全保障技術研究推進制度である。

この推進制度は、防衛省が研究テーマを提示し、各テーマについて研究者側から提案し、採択されると防衛省の委託研究となる。各研究テーマには防衛省から一人のプログラム・オフィサーがつき、防衛省の管理下の研究となり、2015年12月からは全事業の公開を中止している。この制度は防衛省の管理下に企業や大学、研究機関が置かれ、軍事研究が故に非公開で行われるのである。研究者は軍事研究であることを自覚し、民生活用を免罪符に使ってはならない。防衛省による資金提供は2004年から始まり、当初は数件の採択であったが、2015年は11件、2016年は23件に増えている。予算も増加し、2015年度3億円から2017年度は110億円に急増することが決まっている。

国民は、軍事研究の是非とは別に、この制度のこのような内容を知らなければならない。政府はなぜこのような制度を導入し拡大していくのか。政府から分かりやすい説明はない。政府の狙いは何なのか、このことを国民は考えなければならない。