ある暗殺計画の映画があった。女性知事暗殺の映画で、実行犯は、知事の夫、知事の側近で、暗殺直前に計画は回避され、夫ら実行犯は逮捕され大スキャンダルとなり、暗殺の黒幕は何食わぬ顔で車で逃げていく映画である。まるで豊洲の地下への盛り土問題で市場長はじめ幹部級8人が処分され、黒幕はまだ処分を受けていない現在の状況そのままである。豊洲の本丸は石原元都知事である。本人が地下に盛り土をせず、空間を造ることを提案し、それを認め謝罪し、事情聴取に応じるといいながら、その後それを体調不良を理由に撤回した。小池知事は当初、これを許さず追及していく姿勢を見せたが、その後石原氏への聞き取り、追及はどうなったのか。報道されていないので皆目わからない。映画では黒幕が誰なのかはっきりしないが、豊洲問題でははっきりしているにもかかわらず、石原氏には責任が及ばずに終わってしまうのか。事実は映画よりも奇なり、都民は現在の状況に不満はないのか。盛り土問題はもうお終りだと思っているのか、都民の一時の小池知事を支持する盛り上がりはとっくに失せているようだ。

専門家会議には呆れるばかりである。改めて専門家会議が設置されたときに、専門家会議の提案が都により秘密裏に覆されたことへの抗議をすることもなく、会議の冒頭「会議は責任追及をする場ではない」とあえて言い、現在は地下空間の溜まり水、地下水、大気中の有害物質の成分分析を行い、「直ちに健康への影響はない」と言うまでもない分かり切ったコメントしか出せない。せめて長期的な影響への見解を出してほしいものであるが、でもそれはデータがなく科学的にはよくわからないというしかないのであろう。今後専門家会議は、現在の地下空洞の状態で市場への影響はないという方向で、一部の地下の構造改良を含めて提言していくにちがいない。シナリオはすでにできている。このような専門家会議は必要ない。そもそも専門家会議は行政のためにあり、権限を持つような機関ではなく、信念を持った科学者が意思表明をする会議という期待を持つ方が浅はかなのか。どうやら日本は相変わらず、意思決定は文系出身が行い、理系出身は、言い過ぎではあるが、データ提供するだけで意思決定には関わらないという構造なのか。

小池知事は豊洲開場を遅らせるだけなのか、これまで投資した市場関係者に補償する責任が生じ、結局都民の税金を使うことになる。豊洲移転中止、他の地に移転という一部の意見を重視する腹はあるのか、本音を聞きたいものである。