北方四島の返還は日本人の悲願であるが、ロシア側の立場に立って考えることも必要である。はたして奪って自国の領土とした土地を返還する国があるであろうか。戦後70年たち二世が成人し、ロシア島民にとっても四島は故郷になり、郷愁の思いがあるに違いない。住めば都で、プーチン大統領は日本人の故郷を想う気持ちが理解出来るから、友好的な姿勢を示す意味で、元島民の往来を自由にすると発言したにちがいない。安倍首相は「日本人とロシア人が共に暮らし、共に発展する相互利益の未来像を描く中で解決へと導いていくしかない」というが、共同経済活動が実現し、四島が経済的に発展していけば、島民の在住意識はさらに強くなり、他地域への移転は受け入れないであろう。ロシアにとって昔から南方地域は軍事的に重要で、日本の背後には米国があり、米国が軍事的に四島を利用することが可能になれば、ロシアにとってこれほど大きな脅威はない。ロシア側にとって返還が利益になるとは思えず、その意味で返還は困難と考えざるを得ない。