誰でもヒューマンエラーの経験はある。仕事上でのミスはヒュ―マンエラーでも許されないと思われがちであるが、ヒューマンエラーとは何か考える必要がある。単調な仕事を短時間に大量に根を詰めてやると、無意識にミスを犯してしまう。他人から指摘されないとミスしたことに気付かない。単純な計算、数字の転記、パソコン入力、記号や文字の点検など考えなくてもできることを繰り返し行っているうちに誰でもミスを犯す。なぜミスに気付かないのか。人は網膜に移った画像を大脳皮質の視覚視野で判断し見る。もし、視覚視野が損傷、あるいは働かなければ網膜に映る画像を見たとは判断できない。脳神経が疲労し作動しなくなる時にヒューマンエラーが起きるとすれば、気付くはずはない。こうなると脳神経を休ませる以外に回復する方法はない。つまり、ヒューマンエラーは脳のストライキ、これ以上作業を続けると脳神経が破壊するという信号を送っているのではないか。これは脳の防御装置が働いているともいえ、ヒューマンエラーは脳の自己防衛の一つとも考えられる。ヒューマンエラーを責めてはならない。攻められると生真面目な人ほど無理をして自己の脳神経の限界を超えてもやろうとし、さらに大きな事故を招く恐れがある。ヒューマンエラーで部下を叱咤してはならない。脳の回復のためには休む以外に方法はないからである。それよりもヒューマンエラーが生じないような工夫が必要で、それにはヒューマンエラーを起こしてしまった人のアイディアが貴重となる。仕事中に脳を休めることはさぼりではなく、ミスを犯さないために重要なインターバルにちがいない。