リオオリンピックのマラソンで銀メダルのリレサ選手は腕を頭の上でクロスしてゴールしました。これは現政権の圧政に対する抗議行動で、帰国後の拘束を怖れ米国に亡命しました。昨年11月以来、現政権の政策批判に対する抗議デモで治安部隊による武器の使用による暴力的な鎮圧で400名以上もの人々が殺害され、数万人が逮捕、拘束され今も保釈されていない人が多数います(ヒューマンライトウオッチ)。さらに今年の10月2日には、デモ鎮圧のために治安部隊が出動し、デモ参加者が逃げ惑う中で52名が転倒し圧死しました。現在のエチオピアでは武力で反政府勢力を弾圧するのが常態化し、国民の表現の自由などの基本的人権は踏みにじられています。日本はODAでエチオピアを支援しています。無償支援と技術支援が様々な分野で実施されています。ODA大綱には「当該国の民主化、法の支配及び基本的人権の保障をめぐる状況には十分注意を払う」とあります。2005年には国政選挙の後、選挙結果に不満を持つ反政府勢力がデモ弾圧で200名殺害され、先進国は支援を一時停止しました日本はこの時支援を一時的にも停止しませんでした。今回のデモ弾圧に対して、米国はエチオピア政府に対して過度の弾圧を控えるように勧告し、EUはエチオピアへの援助の停止を表明しています。私は、JICA(日本政府)は一時的にも支援を停止して、エチオピア政府に対して弾圧を止めるように要請するべきだと思いますが、日本政府は現在までに何の表明も出していません。エチオピアは多民族国家で、現政権は少数民族出身者で占められています。主要民族は、現政権は少数民族に恩恵があるような政治を行っていると捉えて不満が蓄積し、デモなどの抗議活動が起きているのです。そして、ドナー各国がエチオピアの現状をどのように見て、どう行動しているのか見極めているといいます。「日本は主体的な行動がとれない国」と見られているようです。日本はこのまま沈黙を続けていていいのでしょうか。エチオピアは最貧国の一つで国民の3割がまだ1日1ドル以下の生活をしています。エチオピアを支援するのには賛成ですが、長い目で支援を継続するためには、日本の国民とエチオピアの国民の双方の理解が得られなければなりません。今はそのような状況にはありません。日本は、ドナー各国、各機関と連携し、支援を一時停止し、暴力的な弾圧をすぐに停止するように表明、要請すべきです。