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新川下流域に流入する排水路と流入河川からの負荷量

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辻野兼範

(静岡県立浜松北高等学校 教諭)

要約

ブイの移動調査から下げ潮で佐鳴湖から流出する水がとびうお橋付近まで流下し、その後上げ潮で遡上し佐鳴湖に戻ることから、新川下流域が佐鳴湖の負荷源になっていると考えられるので、新川に流入する排水路と河川の流量、COD、PO4-P、無機態窒素の新川への負荷量を測定した。各物質の濃度は排水路が河川よりも高いが、流量が河川の方が多いので、新川への負荷量は河川が多い。東神田川はCODとPO4-Pの負荷量が、掘留川は無機態窒素の負荷量が多いことが明らかになった。上げ潮でこれらの富栄養化物質が佐鳴湖に流入するので、新川下流域を佐鳴湖の負荷流域に指定する必要がある。本報告は新川下流域が佐鳴湖の負荷領域に認められていない時期のものである。

1 はじめに

新川下流域には排水路と新川の支流が流入している。排水路には田畑の排水、流域の養魚場からの排水が流入し、新川支流として九領川、掘留川、境川、東神田川が流入している。排水路と掘留川、境川、東神田川の水質を調査し、新川への負荷量を測定し、佐鳴湖への影響を考察するために実施した。

2 方法

2000年8月24日の下げ潮時に、佐鳴湖橋からとびうお橋までの12か所の排水路と境川、東神田川、掘留川の新川への流入地点で、下げ潮で水位が低下し新川からの排水路への逆流がない時に、流速、川幅、水深を測定し流量を計算し、COD、PO4-P、無機態窒素(NH4-N、NO2-N、NO3-N)を測定し、流量から新川への負荷量を計算した。

3 結果

流量:調査地点と流速、流量を図1に示す。排水路の中で流量が大きいのはst.3とst.12で、河川では東神田川の流速と流量が大きい。図2にCOD、PO4-P、無機態窒素の負荷量を示す。

COD:排水路で負荷量が多いのは掘留川と志都呂橋の間のst.3、st.11、st.12で、東神田川からの負荷量が12トン/日と大きい。河川のCODの値は排水路よりも小さいが流量が多いので新川への負荷量が大きくなっている。

リン酸態リン:志都呂橋からとびうお橋の間の排水路の値が大きく、負荷量はst.12の掘留川の合流地点の下流が大きい。河川では東神田川からの負荷量が大きい。

無機態窒素:st.3はNO3-Nの負荷が、st.12はNH4-Nの負荷が大きい。河川の負荷量は、東神田川はCODとPO4-Pの負荷量が大きく、掘留川は無機態窒素の負荷量が大きくなっている。

 

 

図3に排水路と河川の負荷量の合計を示す。COD、PO4-P、無機態窒素のどれも河川からの負荷量が大きい。これらの汚濁原因物質は上げ潮で佐鳴湖に流入していることが懸念されるので、汚濁防止、浄化促進のために、河川に流入する家庭の単独浄化槽から合併浄化槽への切り替え、公共下水道への接続指導、田畑への施肥量の指導、食品関連企業への排水指導などきめ細かく実施する必要がある。現在新川下流域の住民の佐鳴湖への浄化意識は、上流地域の住民民よりも低いと考えられるので、住民の意識改革の指導が必要である。

4 まとめ

排水路のCOD、PO4-P、無機態窒素の濃度は河川よりも大きいが、流量は河川が大きいため、新川への負荷量は河川が多い。河川に流入する汚濁源の削減が佐鳴湖の浄化のためには重要である。排水路は流量が河川に比べて少ないので、相対的に河川よりも負荷量が少なくなっているが、現状のままで良いわけではない。河川への汚染源と同様に改善に努めなければならない。周辺住民の意識を改善するためには、新川下流域を佐鳴湖の負荷源に指定する必要がある。

提言:新川下流域、河川と排水路に流入する地域を佐鳴湖の負荷源に指定する。

 

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