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エチオピアの教育事情

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目次

 1 教育制度

 2 小学校教育

 校舎

 授業

 実験室

 教材室

 まとめ

  
1 教育制度  トップへ

義務教育(小学校)、中学、高校、大学の順で8年、2年、2年、4年で、高校卒業時は日本の高校生と同じ年齢である。新学年、新学期は9月中旬で2学期制、夏休みは6月末から9月までで、欧米と同様である。就学は登録制で学校に登録すればその学校の児童生徒になる。政府は国の発展のために教育に力を入れ、小学校の就学率は約90%で高いが、卒業率は全国平均でまだ約50%~60%で、途中でドロップアウトする児童が多い。特に遊牧民の就学率、卒業率が低い。卒業率の低い理由は、経済的理由、学校まで遠く登校に不便、家の仕事、親の不理解などいろいろあり、教育制度ができても子供が登校できる環境が整備されていない現状がある。全国統一テストがあり、その結果で卒業、上位の学校への入学が決まり、各学校のレベルの判定にもなる。一般教科では実験、実習などはあまり実施されておらず、座学、暗記中心の授業である。高校では全ての授業が英語で行われ、エチオピアの高校生は日本とは比較できないくらい会話力はある。これは充実した英語教育というよりは、高校レベルの学習内容を母国語での教科書が編纂できないため英語をやらざるを得ないからである。輸入された教科書の理科の図などを見ると、日本の高校の教科書のレベル以上の難解な図が記載されている。高校に入学しなければ大学への進学はないので、英語の読み書き、会話は必須になり、高校進学のためには英語の読み、書き、会話を身に付けざるを得ないからである。日本のように母国語であらゆる分野の研究ができる国は世界の中でも稀な国と考えた方がよさそうだ。高校へ進学できなかった生徒の進路先は教員養成大学なのである。英語力が不足していたため高校進学を断念した学生が多い。そのため、教員養成大学の授業は母国語で行われている。

 
2 小学校教育 トップへ

エチオピアの主要な民族はアムハラム族とオロモ族で、それぞれアムハラ語とオロモ語を使用している。そのため、アムハラム語とオロモ語の授業を午前と午後の2部制にして実施している。そのため授業は半日で、1時限は42分で6時限あり、休みは中間に15分だけで6時間授業である。ハードに見えるが、実態は暗黙の了解で緩く運営している。年間、学期の予定がはっきりと決まってはいなく、計画を印刷物にして配布することはない。学校にコピー機や印刷機がないためできないこともあるが、計画を詳細に決めて実行するという習慣がないといってよい。新入生登録期間が1週間で、翌週から授業が始まるはずであるが、いつ始まるか曖昧である。土日は休みで、祝日が続き3連休になれば、翌日は自然休校となる。これは生徒が遠方から来ている場合もあるので、暗黙の了解になっている。教師も半日授業で、給料が安いので他の学校と掛け持ちの教師も多い。そうしないと家族を養えないという。教師の子供は私立の学校に通わせていることが多い。公立学校の実態を良く知っているから、自分の子供は私立に通わせたいようだ。私立校は日本のように朝から午後3時頃まで終日学習する。エチオピアでも収入の差が学力の差になる傾向がある。

英語教育は小学4年生から始まる。小学4年生の授業のレベルは、板書から日本の中学1年生の終わり程度と思われる。早い段階から英語力をつけようとしていることが分かる。


校舎  トップへ

正門はアーチ型で、校舎は土壁かブロックを積み上げたもので、都市では2階建て以上の校舎もあるが、地方、田舎の公立小学校は一階建てである。目に飛び込んでくるのは校舎の壁に描かれた様々な絵である。教科書はあるが図表などの副教材がないので、校舎に図表を描き、教材にしているのである。エチオピアは教科書の印刷を外国に発注しているという。製本のための印刷技術がまだなく、民間の教科書会社もまだないのであろう。

土壁の校舎の窓はガラスではなく、木製の小さな扉があるだけで開けていても中は薄暗く閉めれば真っ暗になる。ブロック積みの校舎には窓ガラスがあり、中も明るい。教室には電灯がなく、あっても壊れていて使えない。机と椅子はあるが、一クラス50~60人のすし詰めのため複数で腰かける。土足であがり、掃除をしないのでゴミが多く、天井は木の梁がむき出しである。

授業 トップへ

生徒の授業態度は大変良い。教師に権威があり、教師の指示には素直に従う。質問には大勢が挙手をして答えようとする。居眠り私語はなく、徘徊や外に勝手に出ていくような児童はいない。中には、木の棒を持っている教師もおり、時にはその棒で生徒を叱ることもあるがエチオピアでは問題ないようだ。教師の立場は昔の日本のようである。しかし、エチオピアでは教師は決してエリートの仕事ではないようだ。小学校の教師は給料が安いこともあり、資格を取って転職をする教師も少なくはない。エチオピアでは金融関係の仕事がエリートのようである。

教科書は無償配布だが、紛失すると弁償しなければならず、それが払えないため盗難に備えて学校に教科書を持ってこない児童もいるという。教科書以外は費用がかかるので学習用具、ノート鉛筆などが用意できない家庭もある。

実験室 トップへ

理科の実験室がある学校とない学校があり、あっても実験ができる状態に整備されている学校は地方ではほとんどない。実験施設、設備、器具、試薬はないといってよく、あっても手作りの間に合わせのものばかりである。教科書には日本でもよく見る実験が紹介されているが、実験ができないので理科の授業は座学で暗記中心である。

教材室 トップへ

どこの学校にも教材室があり、全ての教科の手作り教材が保管されている。理科の実験器具は手作りでは代用できないものがあり、教科書にのっている実験を実施しようとすれば購入しなければならないのだが、購入した教材は見かけない。エチオピアではまだ自国で実験器具などの教材を開発製作する技術がなく、全ての実験器具は輸入品である。そのため高く購入するのが難しいのが現状がある。教師から学校の予算で教材を購入する計画を聞いたことはない。実験器具、試薬などの教材がないため、実験が行われず、そのため教師に実験技術はなく、児童生徒も実験を知らないまま学習を終わる。

まとめ トップへ

エチオピアは2025年には現在の農業国から工業国に変わり、経済成長し中所得国の仲間入りを目指している。工業化のために理系教育の強化を国策としており、日本など先進国から資金、技術、人材教育など様々な援助を期待している。ボランティアの要請もその一つである。学校を視察すると、校舎、教室不足、実験室などの特別室教室の不足、必要な備品、器具の不足、また、学校が計画的に必要な物品を購入するなどの自助努力の計画も見られない。教師の給料が安く、転職する教師も見られ、教師自身のモチベーションが低く、国の方針を理解し、それに沿うような教育を現場にも求めることは難しいことが実感として伝わってくる。

 

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