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地学編

目次

1.雲をつくる

2.海洋の水温変化による対流構造

3.吹送流

4.深層循環(熱塩循環)

5.太陽の南中高度

1 雲をつくる  

ねらい 雲や霧のでき方を理解する
材料 ペットボトル ストロー 注射筒 接着剤 セロテープ 線香 マッチ 湯
方法 1 ペットボトルの蓋に穴を開け、ストローを差し込み接着する。

2 注射筒がストローに密着して入るように注射筒の差し込み部分にセロテープを撒いて径を調節する。

3 ペットボトルに湯を少し入れて温め、湯を捨てる。

4 線香の煙をペットボトルに入れて蓋をし、注射筒を押したり引いたりする。

結果 注射筒を引くとペットボトルの内部が白くなり、押す白汚濁がと消える。

説明 注射筒のピストンを引くと空気の体積が大きくなり、温度が低下し、湿度100%に達して水蒸気が凝結し、微小な水滴になる。この時、微小な塵などがあると凝結しやすく、これを凝結核といい、線香の煙がその役割を果たす。もし凝結核がないとなかなか目で見て白く分かるような変化は起きにくい。温度の低下により、飽和水蒸気圧に達して凝結する。

写真では変化が分かりにくいが目では良く分かる。

その他の例

①霧 霧の発生も同様で、明け方放射冷却などにより気温が低下し、地表近くで水蒸気が凝結する元首である。

②コップにつく水滴 夏 冷たいジュースをコップに注ぐとコップの表面が濡れる。これはジュースの低温にコップに接する空気が冷やされ、その部分の空気が飽和水蒸気圧に達して、コップを核として凝結するのである。

2 海洋の水温変化による対流構造 トップへ

ねらい 海洋や湖沼が水温の変化により、成層構造や対流構造をつくり大きな変化をしていることを実験で確かめる。また、風による水流も調べる。
目的 水温の季節変化を考察するために、夏を想定しライトで表層を暖め、冬を想定し氷を
入れて冷却し、水温の垂直変化から考察する。また、着色し水の移動を
観察する。
材料 水 水槽 温度計 ライト 氷 絵具
方法 1 水槽に温度計を5本上から下まで均等に分布するようにガムテープで固定する。

温度計は温度の表示が同一ではないので同じ水で水温をはかり、温度表示の違いを事前に調べておく。

2 水槽に水を入れて始めの温度を記録する。ライトを水面近くにセットする。

ライトを点灯してから5分毎に水温を記録する。約30分間継続する。

3 絵具で色を付けた水を駒込ピペットで横から静かに入れる。表層に着色水が浮いていることを確認する。

4 表層と底層の水温差が明瞭になるのを確認しライトを消す。

5 氷を表層に静かに適量浮かべる。

6 再び水温の記録を再開し、着色水の動きをスケッチする。

結果

測定記録

  始め 5分 10分 15分 20分 25分 30分 35分 40分 45分
1 21.5 21.8 22.2 22.4 22.7 22.9 23.1 21.2 20.8 20.7
2 21.5 21.5 21.5 21.6 21.8 21.8 22.0 20.2 19.9 20.0
3 21.5 21.5 21.5 21.6 21.6 21.7 21.8 20.0 19.6 19.7
4 21.5 21.5 21.5 21.5 21.5 21.5 21.6 19.5 19.2 19.3
5 21.2 21.2 21.2 21.2 21.2 21.2 21.3 18.1 17.8 18.7

補正後  補正値 1  0℃  2 0℃  3  -0.1℃ 4  -0.1℃  5 -0.1℃

  始め 5分 10分 15分 20分 25分 30分 35分 40分 45分
1 21.5 21.8 22.2 22.4 22.7 22.9 23.1 21.2 20.8 20.7
2 21.5 21.5 21.5 21.6 21.8 21.8 22.0 20.2 19.9 20.0
3 21.4 21.4 21.4 21.5 21.5 21.6 21.7 19.9 19.5 19.6
4 21.4 21.4 21.4 21.4 21.4 21.4 21.5 19.4 19.1 19.2
5 21.1 21.1 21.1 21.1 21.1 21.1 21.2 18.0 17.7 18.6

補正後の水温はそれぞれの温度計に記載されている 補正値をプラス、あるいはマイナスして記録する。

結果をグラフ用紙に記録し、垂直変化を考える。

例:浜名湖の水質の季節変化

浜名湖湖心水質データ 1988年                  環境基準 COD2.0mg/L以下

  水温℃ 塩分‰ 溶存酸素mg/L CODmg/L
1月 0m 7.6 33.05 9.78 1.10
2m 7.8 33.17 9.73 1.10
4m 8.1 33.3 9.47 1.03
6m 8.4 33.36 9.50 0.79
8m 8.6 33.39 9.46 1.27
10m 8.5 33.58 9.89 1.29
         
2月 0m 6.4 33.16 9.69 1.15
2m 6.4 33.23 9.71 1.27
4m 5.9 33.38 9.77 1.26
6m 6.1 32.39 9.99 1.19
8m 6.0 29.30 9.74 0.99
10m 6.2 31.41 9.65 0.91
         
3月 0m 10.2 32.21 8.71 1.47
2m 10.4 31.95 8.98 1.58
4m 10.0 32.23 8.97 1.22
6m 10.2 32.46 8.72 0.93
8m 9.7 33.39 9.08 1.41
10m 8.9 33.54 9.34 1.47
         
4月 0m 14.8 29.4 8.43 1.16
2m 14.8 29.43 8.50 1.35
4m 14.6 29.59 8.44 1.17
6m 14.6 29.69 8.25 1.50
8m 14.5 31.79 5.24 1.14
10m 14.3 31.99 5.12 1.33
  水温℃ 塩分‰ 溶存酸素mg/L CODmg/L
5月 0m 20.6 27.09 10.70 0.86
2m 19.8 28.45 11.68 1.19
4m 18.9 28.80 10.68 1.08
6m 18.6 29.05 9.74 1.17
8m 18.8 29.25 9.72 1.16
10m 18.6 29.35 9.48 1.35
         
6月 0m 25.3 26.98 10.47 2.27
2m 25.3 27.10 9.93 1.91
4m 23.5 29.22 4.51 2.06
6m 22.1 30.95 2.63 1.67
8m 21.2 31.41 1.60 1.82
10m 20.4 31.90 0.78 1.78
         
7月 0m 24.9 21.22 10.15 1.82
2m 25.5 24.32 4.82 1.84
4m 24.6 29.23 1.53 1.53
6m 23.6 30.97 0.74 1.42
8m 22.6 31.41 0.32 1.47
10m 21.6 31.84 0.00 1.85
         
8月 0m 30.2 17.24 10.75 1.76
2m 28.0 21.84 7.56 1.99
4m 27.6 27.99 4.01 0.99
6m 27.0 29.43 3.85 1.31
8m 24.1 30.58 0.13 2.10
10m 23.0 30.90 0.00 3.30
  水温℃ 塩分‰ 溶存酸素mg/L CODmg/L
9月 0m 25.7 26.98 5.91 1.61
2m 25.8 27.14 5.88 1.58
4m 25.8 26.90 5.53 1.61
6m 25.8 29.52 0.77 1.14
8m 25.0 30.30 0.00 2.69
10m 24.0 30.13 0.00 3.81
         
10月 0m 19.2 27.53 7.34 1.41
2m 19.9 27.61 7.30 1.25
4m 20.7 28.71 4.33 0.86
6m 21.2 29.50 3.89 0.81
8m 21.2 29.99 4.20 0.57
10m 21.6 30.71 4.59 0.50
         
11月 0m 14.1 31.27 8.62 1.54
2m 14.1 31.29 8.67 1.55
4m 14.1 31.27 8.68 1.41
6m 14.0 31.26 8.56 1.23
8m 14.0 31.26 8.70 1.25
10m 15.1 32.48 5.88 1.25
         
12月 0m 9.4 32.03 10.88 2.20
2m 9.2 32.08 10.73 2.08
4m 9.4 32.25 10.41 2.32
6m 9.7 32.33 10.19 2.36
8m 9.8 32.47 9.84 0.90
10m 10.0 32.65 9.49 2.31

考え方

・成層構造:表層の密度が小さくなり、表層に停滞し、下層との混合が行われない。

対流構造:表層の密度が大きくなり、重く下層に沈降していき、下層水が上層に上がる。

・水温が低く塩分が大きいほど密度は大きくなる。

・有機物が微生物に分解される時、水中の酸素を消費する。周囲からの酸素の供給がなければ溶存酸素は少なくなっていく。

3 吹送流  トップへ

目的 風に表層水が押し流されて、表層水は風下へ動き、下層では風上側に逆方向の流れが生じ、下層から表層に湧きあがる水流が生じることを調べる。
材料 雨樋 アクリル板 ピペット(スポイト) 水漏れ防止接着剤 絵具 水 扇風機
方法 1 雨樋を長さ1mほどに切り、アクリル板を図のように両端に接着し、一方の端にはさらに斜面をつくるようにアクリル板を斜めに接着する。水が漏れないように水漏れ防止接着剤で留める。

2 水を張り、絵具でつくった色水をピペットで底に置くように静かに入れる。

3 扇風機の風(強)を傾斜した方から当てて、色水の動きを観察する。

結果 1 表層水は風上から風下の方に移動する様子がわかる。これが吹送流である。

2 色水が風下側から風上側に底を移動してくる様子が観察できる。

考察

空気や水などの流体は、一ケ所が移動はじめると、その部分を補うように流体が流れ込む現象がみられる。空気の対流がその例である。海水の場合も同様で、一度流れが生じるとその流れに引きずられるようにして、水が補うようにして流れ込んでくる。湧昇流は表層で水が移動する時に、その部分を補うようにして深層から底層水が上昇する現象である。夏は閉鎖的な水域ほど成層構造が発達し、底層水は底に停滞しやすいため無酸素、貧酸素水になる。このような時に、台風などの強風が吹くと表層水が風下側に強く吹き寄せられ、それを補うように底層水が上昇する。無酸素水、貧酸素水が上昇してくると魚類は酸欠となり、表層に浮いてきて岸からタモ網で簡単に獲れることがある。浜名湖の苦潮がこの現象である。晩秋、表層水が冷温な大気により冷却されると対流が起きて、底層水が表層まで湧きあがり同様な現象がみられる。このようなとき、陸地では腐卵臭がすることがある。この腐卵臭は硫化水素臭である。東京湾ではこの現象を青潮という。海水が硫黄を含むため青白く見え多くの魚介類が斃死する。

4 深層循環(熱塩循環)トップへ

目的 流は表層数百mまでの厚さの流れで、海洋の平均水深は4000m以上もあり

海洋全体の海水の流れはどのようになっているのか理解する。

材料 水槽(平たい水槽の方が実験しやすいが一般的な水槽でも良い) 氷 塩 絵

具 ピペット(スポイト)

方法 1 絵具をお湯でとき色水をつくる。水槽に水を張り、隅の方に氷を浮かべる。

2 氷付近に塩を一つまみ入れる。

3 暖かい色水をピペットで斜めに静かに表層に置くように入れる。垂直方向には入れない。

4 色水の動きを観察する。

結果 色水は氷の方に引き寄せられ、氷の真下に沈んでいく様子が観察できる。沈降した水は水槽の深さにもよるが、中層付近で表層の流れとは反対側方向に移動していく。

*温水で色水をつくるのは暖かい方が水が軽くなるからである。表層に色水を置いた時にすぐに沈降するようでは実験にならない。氷の方に引き寄せられて、氷の下で沈降することを演示する必要がある。塩をひとつまみ入れるのは、氷の部分が冷却され、さらに塩分が高くなることで密度が大きくなり、表層水を下向きに引く作用をするからである。

考察

海水が結氷するとき塩分を排除して水が凍結するので、氷の周囲の塩分濃度が高くなり、冷たく密度が大きな海水になり沈降しやすくなり、深層に沈み込んでいく。

海洋水はこの実験のような大循環をしている。グリーンランド沖合で沈降した水は、北大西洋深層水として大西洋を南下し、南極大陸の北側で深層水としてオーストラリアから太平洋に入り、北太平洋北部で上昇し、表層流となり、インド洋を横断し再び北大西洋に戻る循環をしている。この大循環に要する期間は約1000年と推定されている。海水の約80%は深層水であり、その移動の速さは10cm/s以下と非常に遅い。この大循環は水温と塩分濃度に関係するので熱塩循環と呼ばれる。海水が北大西洋で沈み込みを始めてからの時間を14C法で測定すると、上昇する北太平洋では約1700年となる。

水槽実験はこの熱塩循環を考える実験でもある。

5 太陽の南中高度 トップへ

ねらい 太陽の南中高度は緯度、季節によりさまざまに変化する。北半球で夏至の日に緯度23.4°の地点で太陽は天頂に位置する。この時、光は水平線に対して真上から来るので影はできない。太陽の高度の測定方法について学習する。
材料 糸、重り、板、定規、ストロー(棒など)、水準器(水を入れた小さな容器)
方法 1 ストローに糸を付けた重りを結びつける。このときの糸の長さを測定しておく。

2 板を水準器で水平に置く。

水準器は図のように小さな容器(醤油入れなど)の中央に線を引き、水を入

れて水泡が中央に来ることで確認できる。

3 図のようにして影の長さを定規で測定する。

4 午前から午後にかけて南中高度を測定する。

例 2014年9月16日 エチオピア アセラ      糸の長さ 19.5cm

時刻 影の長さ cm tanθ θ(仰角 °)
9:30 17.2 1.13 48.6
10:00 13 1.5 56.3
10:40 8.5 2.29 66.5
11:18 4.2 4.64 77.8
11:49 2.5 7.8 82.7
12:12 1 19.5 87.1
12:19 0.7 27.86 87.9
12:20 0.6 32.5 88.24
12:30 1.1 17.73 86.8
12:39 1.7 11.47 85
13:05 3.5 5.57 79.8
13:37 6.2 3.15 72.4
13:58 8.2 2.38 67.2
14:00 8.5 2.29 66.4
14:05 8.8 2.22 65.7
14:15 9.7 2.01 63.5
14:30 11.5 1.70 59.5
15:18 18.5 1.05 46.5
15:40 23.5 0.83 39.7

結果

糸の長さ/影の長さからtanθを求める。角度は三角関数表で求める。詳細には三角関数付の電卓で求めることができる。

12時20分に高度88°になり、ほぼ天頂(頭の真上)に太陽が来た。

地球は23.4°傾斜して公転しており、北半球では近日点(太陽に最も近づく位置)が冬至、遠日点(太陽から最も離れる位置)が夏至になる。日本の夏至の日の太陽の南中高度は北緯35°で78.4°で最大である。台湾は緯度23.4°なのでこの緯度の地点では図のように太陽が天頂(真上)に来る。エチオピアはこの日、太陽は北寄りにあり、この日から少しずつ南に移動し、9月5日付近で天頂に来ることが観察できた。日本では体験できない自然現象を体験できることは貴重なことである。

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