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世界の笑顔

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JICA世界の笑顔プログラムより「開発途上国で必要とされている、スポーツ、日本文化、教育、福祉などの関連物品を皆さまからご提供いただき、世界各地で活動中のJICAボランティアを通じて、現地の人々へ届けるプログラムです。日本では当たり前のように身近にあり、使われないまま眠っている物。それを必要としている人々が世界にはいます。」

開発途上国には、学校教育で必要な教材が極端に不足しています。理科の実験器具(顕微鏡、リトマス紙、漏斗、蒸発皿など)はもちろんのこと、体育教具(サッカーボール、バレーボールなどの球技用具)、算数教具(コンパス、定規、三角定規、分度器など)、楽器(ハーモニカ、縦笛、ピアニカなど)学校教育の向上のためには欠かせない教具教材が不足しています。日本にまだ使用でき廃棄する物品があれば、JICAの「世界の笑顔」という制度を利用して必要としている国に提供することができます。ネットで「世界の笑顔」と入力し検索してください。どのような内容仕組みなのか分かりやすく説明され、JICAボラティアが任地で必要としている物品が紹介されています。もし、提供できる物品があれば、手順に従って手続きを取れば、任地にあなたの善意が開発途上国で生かされます。提供者の負担は、お住まいのところから、東京のJICAまでの郵送料のみです。後は全てJICAが責任を持ってやってくれます。任地では、JICAボランティアが提供品の使い方を任地の人々に説明し、活用されます。以下に私の例を紹介します。

エチオピアに来て以来、学生時代の友人とメールでやり取りいているうちに、友人が理科関係の技術開発、販売の仕事をしている関係から、理科の備品展示会で友人がたまたま私からのメールを開いていると、ケニス(株)の社長が偶然そこに来ており、友人が私がエチオピアで理科の実験指導をしており、実験器具がなくて困っていると紹介してくました。そうするとケニスの社長は、会社で利用しない実験器具があるから、エチオピアの私に提供しても良いということになり、ケニス(株)から無料で提供していただけることになりました。私事で一時日本に帰国した時に、ケニス(株)を訪れ社長にお会いし、理科の実験教材をみせていただき、提供品を受けることができるように話が進みました。これは全く予期しない、素晴らしいことで、「世界の笑顔」というプログラムを利用して、ケニス(株)からの提供品をエチオピアに提供できることになりました。2014年10月にエチオピアに写真のような素晴らしい理科備品、一覧にまとめたように19種類、総数255点が到着しました。どれもエチオピアでは製造できなくて、エチオピアでは全て輸入に頼っており、学校の予算では購入できないものばかりです。中でも顕微鏡はエチオピアの先生方、児童生徒にとっては夢のようなプレゼントとなりました。ボランティアの責任は任地の人々が提供品を自分で使えて児童生徒に指導ができるように指導することです。

顕微鏡や上皿天秤、手回し発電機などは日本であればどこの小学校にもある実験器具であるが、エチオピアでは初めて手にするものばかりである。特に顕微鏡が8つの公立小学校すべてに提供できたことはエチオピアにとって初めてのことである。科学セミナー同様に8つの学校を3つに分けて提供品の使い方講習会を実施した。科学セミナー参加の先生方と同じなので気心も知れており良い講習会が実施できた。提供品の良かった点は、実験教材のためのサンプルが付属品として一緒になっていたことである。例えば、顕微鏡には植物の組織、細胞サンプルが、手回し発電機には、豆電球やLED電球、コンデンサーの実験教材が付いており、これらの付属品があったから実験講習会が効果的に実施できた。

講習会実施期間 2014年10月22日~24日の3回

研修内容例(科学セミナーの内容と重複するが紹介する)

1顕微鏡の使い方と植物組織の観察

説明した点 ①光りを反射鏡を動かして集光する。②低倍率から観察する③レボルバーを回して高倍率に切り替える。

材料 Fという字を見て上下逆、左右逆に見えることを確認。ケニスから提供された植物組織、この標本は染色されていてきれいで低倍率でも明瞭に見え、高倍率の観察もしやすい。なぜFが逆に見えるのか質問が出た。レンズで光が屈折し交差するために像が逆になることを説明すると理解できたようだ。気孔を観察し、高倍率に切り替えると像の観察が出来なくなる。レボルバーを回して切り替えると、大まかにピントが合うことを知らないので、そのためスライドガラスを動かして始めからやろうとし、像を視野の中央に移動しピントを合わせることができないので観察が出来なくなる。ここでも顕微鏡の基本的な扱い方の練習が必要なことが良くわかった。3台の顕微鏡を使い一人ひとり順に観察できたので操作の基本は身につけたようだ。遮光する位置に立っていても本人はそのことに気付かない。これはアセラ教員養成大学でも同じで、光を集めて観察することを十分理解していないようだ。付属の植物の組織片は、単子葉、双子葉の維管束の違い、デンプン粒などがあり、教科書通りの教材が観察可能となった。

2手回し発電機

ハンドルを回すだけで電気を発生し、豆電球、LED電球が灯ることに驚いたようで先生や生徒を引きつける実験器具としては申し分ないものである。+極と-極、コードの色など基本的なことを説明した後、豆電球とLED電球の点灯、コンデンサーへの充電、放電による豆電球とLED電球が点灯することを確認した。その後先生方自身で確認の実験をし、直列接続と並列接続の実習を行った。2つの班で行ったが一つの班が並列接続で一つの豆電球が点灯せずに時間をかけて先生方がいろいろな接続を試して原因を策っていた。このような先生方の取り組みが生徒指導をする場合に生かされることを期待したい。

3 教育用上皿天秤

天秤の扱いの基本的な注意事項、ゼロ調整の大切さを最初に説明した。大学の学生はゼロ調整を意識することはないので先生方にはしっかり理解してほしいからである。腕時計の重量を測定することで方法を理解したようであった。次に科学実験の例として二酸化炭素の発生による質量保存の法則に取り組んだ。

質量保存の法則:卵の殻に希塩酸を加え二酸化炭素を発生させて調べる。

材料 卵の殻、希塩酸(5%)、試験管、ペットボトル(500mL)、

方法

1材料を天秤の右側に乗せ、左側に分銅を乗せつり合いを保つ。つり合いの微調整は紙などを分   銅側に置いて行う。

2ペットボトルの中に卵の殻、希塩酸を試験管に入れ、つり合いが取れていることを確認ししっかり蓋をする。

3試験管を傾け希塩酸と卵の殻を反応させ、反応が終了するまで待つ。

4反応後のつり合いを確認する。

5ペットボトルの蓋を開けて二酸化炭素を追い出し、つり合いの状態を見る。

6二酸化炭素が放出されて軽くなっていることを確認する。

実験例 はじめ 47g 反応後 44g 二酸化炭素の質量 3.0g

問題点

二酸化炭素放出後も天秤のバランスが維持されたままの班があったので、希塩酸を多めに入れて再実験を行った。上手くいくと拍手が起きた。希塩酸の濃度を5%から少し上げておいた方が良いことがわかった。

良かった点

①黒板に反応式を書いておくと先生方が討議をして反応式の意味を確認しているようであった。このような討議は講習会では重要である。

4その他の実験

摩擦力 米の吊り下げ、登る猿、ぶら下がる鉛の3つを紹介した。摩擦力の理解を深めるためには簡単にでき、驚きもあり良い実験であった。先生方も興味を示した。

今日全体を振り返って

先生方が熱心に取組み実験器具の扱い方を学習し、授業で使える実験を行うことが期待できた。最後に授業で提供品を使った実験を行うこと、生徒がお礼の手紙を書くことをお願いし全体の集合写真を撮り終了した。

他の二回の講習会も同様に実施した。「世界の笑顔」プログラムでは、お礼の手紙を提供者に送ることになっている。提供した小学校で生徒実験を行った後、先生方に児童にお礼の手紙を書くように指導してもらい、手紙を用意しケニス(株)に郵送した。ケニス(株)にとっても会社が開発途上国の理科教育の改善に役立つことになり、双方にとって有意義なこととなった。ただし、貰い癖をつけてはいけない。先生方の中には他に貰えるものはないか、また、他の学校の提供品を羨ましがり、さらに要求してくる場合もあった。これはエチオピアが援助漬けになっていることの現われでもある。「世界の笑顔」の方針は良いが、被援助国には、自助努力で物品を整備することの必要性を理解させることも重要である。

この活動を通して、「持つべきものは友」を実感することができた。人の関わりはいつどこで功を奏するかわからない。日頃から友人とは誠意をもって関係をもつことがいかに大切であるか改めて心に刻むことができた。

 

 

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