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上げ潮で新川を遡上する水質の特徴

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辻野兼範
(静岡県立浜松北高等学校 教諭)
要約
新川の8月の大潮では上げ潮で塩水楔を形成しながら遡上し、佐鳴湖の底層に流入し停滞する。密度成層への寄与は塩分が水温よりも大きい。下げ潮時には新川の密度成層は解消されるが、佐鳴湖では底層に高塩分水が滞留する。下げ潮による塩分の低下はとびうお橋付近までで佐鳴湖からの流出水の影響が及ぶ。これは下げ潮で佐鳴湖から流出するブイがとびうお橋付近まで流下する1)ことと一致する。塩分と諸物質の相関から、各種物質を保存性物質、除去物質、負荷物質に分けて評価すると、新川ではクロロフィルaは保存性物質で分解や負荷はない。CODには除去作用が働いていると考えられるが、光合成色素以外の有機物の負荷として、周辺の排水路や河川からの流入が示唆される。PO4-Pは下げ潮では上げ潮よりも高濃度で新川全域に分布し、上げ潮時の希釈効果により、保存性物質となり佐鳴湖に流入していくと考えられる。懸濁態Pには、除去と負荷の両方の作用が働き、これはPO4-Pが上げ潮時の塩水中の陽イオンと反応し、懸濁態Pに形態変化することが示唆される。佐鳴湖ではPO4-Pは、底質からの溶出が見られ、懸濁態Pも底層で高くなっている。NH4-Nは上げ潮時、下げ潮時ともに河川からの負荷と除去作用が見られる。NO3-NとNO2-Nは上げ潮では保存性物質となり、一部河川からの負荷も見られる。下げ潮時にはNH4-NはNO2-Nに酸化されることが示唆される。佐鳴湖ではNH4-Nは底質からの溶出が見られ、NO3-Nは上げ潮時、下げ潮時ともに負荷物質になっている。これは上流河川からの流入と上げ潮による新川からの流入が考えられる。
潮汐による佐鳴湖からの流出と流入は、自然現象であり、上げ潮で諸物質が佐鳴湖に流入するのは、汽水湖である佐鳴湖の生態系にとって必要なことでもある。下流域の負荷物質を削減することは、過栄養状態の佐鳴湖にとって重要なことではあるが、その限界と可能な削減量を明示して取り組まなければならない。新川下流域を安易に「佐鳴湖の汚濁源」と決めてはならない。

1はじめに
佐鳴湖の塩分は2000年7月に放水路開設以来、それ以前の約1.0%から約5.0%に上昇している。新川の川幅を広くし、放水路開設により潮汐によりそれまで以上の塩水が浜名湖側から遡上するようになったためである。ブイの移動調査から、上げ潮と下げ潮の潮位変動が同程度の時、佐鳴湖からの流出水はとびうお橋まで流下し、上げ潮で佐鳴湖に流入することが明らかになっている1)。新川には排水路や河川が流入し、生活排水、農業排水、産業排水、自然排水などから様々な物質が流入し、上げ潮で佐鳴湖に運ばれていることは容易に想像できる。一潮汐で塩分をはじめ水質がどのように変動しているのか、上げ潮時(満潮)と下げ潮時(干潮)の水質を調査し、それが佐鳴湖にどのように負荷を与えていることを考察明することを目的に実施した。
2方法
調査地点を図1に示す。2004年8月2日(大潮)、浜名湖の連接地点のst.1から佐鳴湖の北部st.12まで、漂流ブイを投入してボートで流入を追跡しながら、各定点で表層から底層、底直上水まで採水した(佐鳴湖内でのブイの移動調査は実施していない)。表層から底層までは自作の容量250mLの採水器で採水し、底直上水はシリコンチューブで船上から注射筒で吸い上げ、泥が混入しないように注意しながら採水した。底層と底直上層の差は数cmで、河床、湖底泥に接する水質の特性を調査した。st.6~st.8が2000年7月より開設された放水路である。現場で水温、pH、透明度を測定し、採水後、直ちに溶存酸素測定(ウインクラー法)のために試薬で固定した。実験室でワットマンGF/Cでろ過し化学分析用のために凍結保存した。塩素量は硝酸銀滴定法、塩分は塩素量から換算し、COD過マンガン酸カリウム酸性法、クロロフィルはアセトン抽出法で、フェオ色素は塩酸でクロロフィルaを分解し簡便法で測定した。下げ潮は、佐鳴湖からブイが流出するのを確認し上げ潮時と同様に追跡し採水した。

塩水楔

海水が河川を上げ潮で遡上する時、図2のように海水と河川水が混合しにくい「弱混合型」、混合しやすい「強混合型」、その中間の「緩混合型」に分類される。弱混合型は上層と下層の塩分差が大きく、混合しにくく塩水楔と呼ばれる。河川水中には微細な粘土粒子などの無機懸濁物質、プランクトンなど有機物の縣濁物質などが帯電し浮遊している。微細な粒子は沈降しにくいが、塩水中の陽イオンと静電気力で引き合い結合して大きな懸濁態粒子となって沈降する。これらの粒子が楔の先端で高濁度水をつくり遡上する。

3結果と考察

図3(1-5)は上げ潮時と下げ潮時の新川と佐鳴湖の断面図とグラフである。

(1)成層構造―塩分楔の形成―

水温

上げ潮時は、st.1の27℃から佐鳴湖の北部st.12の28℃へと上流ほど高くなり、早朝のため表層は底層よりもやや低く、佐鳴湖ではその差はほとんどない。下げ潮時では佐鳴湖の表層と底層は約1.5℃の水温差があり、水温成層が形成されるが、新川では水温差は見られない。


塩分

上げ潮時はst.1の33‰から佐鳴湖の10‰へと低下し、表層から底層まで塩分差が大きく、「弱混合型」の塩水楔を形成しながら佐鳴湖に流入していく様子が見られる。九領川、掘留川、境川、東神田川の河川水が流入し、表層と底層の塩分差が大きくなり、塩水楔が発達しやすいと考えられる。佐鳴湖の湖南部では底泥直上層が16‰、底層が12.5‰で、高塩分水が底直上に侵入していく様子が見られる。湖央部から湖北部では表層と底直上層の塩分差は1.0‰以下と小さいが、最北部st.12の表層が10‰で湖南部、湖央部よりもわずかではあるが大きく、上げ潮により湖北部で底層水が表層に押し上げられる様子が見られる。このように大潮の上げ潮は、塩水楔を形成しながら遡上し、佐鳴湖の底に流入し北部まで影響を与えていると考えられる。下げ潮では、st.3のとびうお橋まで表層と底層の塩分差がほとんどなく10‰で塩分に関しては均一の水質になり、佐鳴湖水がこの付近まで流出し、佐鳴湖からとびうお橋まで一つの水塊になっているといえる。st.2では急に塩分が20‰と大きくなり、佐鳴湖水の影響は小さい。これは、ブイの移動調査で下げ潮でとびうお橋まで流下し、一時停滞した後、上げ潮で遡上した結果と一致する1) 。佐鳴湖の底直上水は14‰、底層水は10‰でわずか数cmの差に大きな塩分差があり、上げ潮で流入した高塩分水が底直上に停滞している様子が見られる。

st.11の湖心の水深は満潮で2.7m、干潮で2.05mで差は0.65mで佐鳴湖水量の約1/5 が流入、流出している。

密度

密度は塩分(塩素量)と水温で決まり、水温が低く、塩分が大きいほど密度は大きくなり、密度成層が形成されると水塊の垂直混合は起きにくくなる。上げ潮時の塩分の分布と密度がよく対応し、st.3~st.7の表層と底層の密度差が大きく、密度成層が形成されている。下げ潮時では成層構造は解消されている。上げ潮時の塩分と密度の相関係数はR2=0.99(n=40)、水温と密度はR2=0.58(n=30)で、密度成層は塩分の寄与が水温よりも大きい。

溶存酸素と酸素和飽和度

新川では上げ潮時の底層の最小値でも4.0mg/L、酸素飽和度は60%以上あり、午後の下げ潮時は、新川全域で100%の飽和状態になっている。佐鳴湖の酸素飽和度は120%の過飽和状態で、佐鳴湖の底層では底直上水が3.0mg/L、酸素飽和度40%の低酸素水になっている。底層の低酸素水は生産層から沈殿する植物性プランクトンなどがバクテリアの好気呼吸により分解され酸素消費が進むためと考えられる。

透明度

透明度の約2倍が補償深度といわれ、補償深度以深は分解層で微生物による好気呼吸で、溶存酸素の消費が進み貧酸素水が形成されることもある。貧酸素下では底泥は嫌気的環境になり、PO4-PやNH4-Nなどの栄養塩の水中への回帰もある。上げ潮時ではst.1の浜名湖側は2.0mあるが新川では0.7m以下になり、佐鳴湖では約0.4mへ低下する。下げ潮時では全域が約0.35mに低下し、下げ潮で流下する佐鳴湖の濁水のためと考えられる

下げ潮時は透明度の2倍の水深0.7m以深が分解層で、河川水域の下層の約半分量に該当する。佐鳴湖では透明度が約0.35mと小さいことから、水深約0.7m以下の下層は分解層で水量の約2/3が分解層と考えられる。分解層では光合成は行われないため、下層のクロロフィルaは上層から沈殿してきたものと考えられる。

(2)富栄養化物質

汽水域では、水中の物質の挙動(除去と負荷)を評価する方法として、図4のように塩分を横軸にとり、物質の濃度を縦軸にとり、両者の関係の現れ方で評価する方法が使われる。両者の関係がAのように直線になる場合は、単に希釈混合されているだけの保存成分で分解や負荷はなく、Bのように下向きに凸になれば、吸着などにより除去され、Cのように上向きに凸になれば負荷があると考える。この方法により新川、佐鳴湖の水域を上げ潮と下げ潮に分けて評価した。フェオ色素はクロロフィルaの分解物の総称であり、フェオ色素の比率が大きくなれば、分解が活発に行われていると考えられる。

クロロフィルa とフェオ色素

図5にクロロフィルaとフェオ色素の断面図と塩分との相関を示す。上げ潮時には新川は10~45μg/L、佐鳴湖では50~100μg/Lで下流から上流に行くに従い大きくなる。下げ潮時はとびうお橋まで100μg/Lもある。佐鳴湖では午前から午後にかけて光合成により100μg/Lから130μg/Lへと大きくなり、下げ潮により佐鳴湖から流出し、高クロロフィルa水がとびうお橋まで及んでいる。佐鳴湖では表層と底層で差がなく、透明度が約0.35mと小さいことから、底層で植物性プランクトンの増殖が行われているのではなく、生産層で増殖した植物性プランクトンが沈殿し大きな値になっていると考えられる。

塩分との相関は、新川ではほぼ直線で示され、相関係数は、上げ潮時R2=0.82(n= )、下げ潮時R2=0.87(n= )と高く、上げ潮により塩水と混合する希釈効果が働き、保存性物質となり、分解や負荷は下げ潮時の一部を除きあまり行われていない。佐鳴湖では塩分の変動幅が小さく、対角線の上部に上げ潮時、下げ潮時ともに位置し植物性プランクトンの増殖が活発で100μg/L以上の高濃度が維持されている。ただし、補償深度の約0.7m以深は分解層で、底層のクロロフィルaは上層から沈降したものである。

フェオ色素は、新川の上げ潮時はクロロフィルa同様に保存性物質であるが、下げ潮時には主に分解が進んでいる。佐鳴湖では上げ潮に負荷物質となりクロロフィルaの分解が進んでいることを、下げ潮時には分解物質になる傾向がある。佐鳴湖でのフェオ色素がクロロフィルaに対して占める比率は、上げ潮時26~60%、下げ潮時12~44%と大きく、表層から底層まで活発にクロロフィルaの分解が行われていると推測できる。佐鳴湖は、植物性プランクトンの増殖と分解が同時に進んでいると考えられる。

COD

CODもクロロフィルaと同様の傾向があり、上げ潮時では下流の約2.0mg/Lから上流ほど大きくなり、佐鳴湖では約9.0mg/Lとなっている。干潮ではとびうお橋まで一様に6.0~

7.0mg/Lである。塩分との相関は、新川のCODは対角線よりも下の部分が多く(st.2の表層と中層は外部負荷)、除去作用が働いていると考えられる。一方、外部負荷については、光合成有機物の指標であるクロロフィルaとその分解物質のフェオ色素の合計とCODの相関係数が、上げ潮でR2=0.15、下げ潮で0.41と低く、関係式より、両者の合計を0とした時のCODは、上げ潮時には2.1mg/L、下げ潮時には2.6mgLとなり、光合成色素以外の有機物の供給があり、それは新川への流入河川や排水路からと考えられる。佐鳴湖では上向きに凸で負荷が大きいのは活発な光合成のためである。CODとクロロフィルaとフェオ色素の合計との相関係数はR2=0.08と低く、グラフの切片は2.7mg/Lで、これは光合成色素以外の溶存性有機物などが影響していると考えられる。

 

栄養塩類

リンの分析はT-PとPO4-Pなので、T-PからPO4-Pを除したものを縣濁態Pとしたが、この中には溶存態有機Pも含まれる。結果を図8に新川と佐鳴湖の断面図、図9に塩分との相関を示す。

PO4-P

上げ潮では浜名湖側のst.2で2.0μgat/Lで上流ほど少しずつ大きく、佐鳴湖の流出付近では4.0μgat/Lになり、佐鳴湖の北部では7.0μgat/Lと大きく、底層では10μgat/L、底直上層では15μgat/Lと最も大きくなっている。St.12の湖北部では底層から高PO4-P水が湧き上がっているようにも見え、塩分の分布で示したように上げ潮による底層水の押し上げの影響が推測される。底直上水が大きいのは、底泥からの溶出のためと考えられる。下げ潮時では浜名湖側で3.0μgat/Lで上流ほど少しずつ大きく、佐鳴湖の放水路付近では7.0μgat/Lになり、新川全域が高濃度になっている。これは、下げ潮による佐鳴湖水の流出の影響と考えられる。佐鳴湖は全域が約7.0μgat/Lで、底層水、底直上水の値は上げ潮時よりも小さくなっている。

懸濁態P

上げ潮では浜名湖側からst.4の志都呂橋付近まで2.0μgat/L以下で、上流では大きくなり、佐鳴湖では7.0μgat/L以上と大きくなっている。下げ潮ではst.3のとびうお橋付近まで約4.0μgat/Lと大きく新川全域に広がり、佐鳴湖では底直上層で10μgat/L以上と大きく、St.12の湖北部に連続し高懸濁態P水が湧き上がっているようにも見える。

新川での塩分との相関(図9)を、PO4-Pと縣濁態Pと比較すると、上げ潮時のPO4-Pは、ほぼ直線状にプロットされるので、上げ潮による塩水で希釈され、下げ潮に比べて小さく5.0μgat/L以下の保存性物質となっている。これに対して、懸濁態Pの上げ潮時の分布は全体に広がり、保存性物質にはなっていない。下げ潮時のPO4-Pは5.0μgat/L 以上あり、上げ潮時に小さくなるのは、希釈されるとともに、上げ潮の塩水中の陽イオン性物質と反応しコロイド状の懸濁物質になり、PO43—が懸濁態Pに形態変化すると考えられる。上げ潮時の縣濁態Pの上凸の5.0μgat/L 以上の部分は、st.3~st.7の高塩分水の影響の大きい流域であることが、これを示すと考えられる。

下げ潮時は水位が低下し上げ潮のような逆流がないため排水路や河川からの流入(PO4-Pの負荷は東神田川が大きい2))が多くなり、佐鳴湖からの流出水と合流し、多くなっていると考えられる。下げ潮で流下したPO4-Pは、上げ潮で一部が懸濁態Pに形態変化し、佐鳴湖への負荷物質になっていることが推察できる。

佐鳴湖のPO4-Pの上向き凸の部分は底層、底直上層で、底泥からの溶出のためと考えられる。

全リン

上げ潮では浜名湖側で2.0μgat/L以下で上流ほど大きく、佐鳴湖の流出付近では6.5μgat/L、佐鳴湖の北部では12μgat/L以上となり、湖中央部の底泥直上層では15μgat/Lと最も大きくなっている。下げ潮ではとびうお橋付近まで10μgat/Lと大きく、佐鳴湖でも上げ潮同様に大きな値で、湖北部で最も大きく、表層で15μgat/L、底泥直上層では20μgat/Lもある。

塩分との相関から、新川の上げ潮は上に凸の部分が多く、外部負荷が考えられる。この負荷は、クロロフィルaは保存成分なので新川での光合成微生物の増殖による負荷ではなく、新川への流入排水路や河川からの流入と考えられる。下げ潮では、分解と負荷の両方がみられ、凸の部分はst.7の東神田川の合流点とst.9の旧新川の佐鳴湖出口の地点なので、東神田川からの流入負荷、佐鳴湖からの流出負荷と考えられる。佐鳴湖では上げ潮時、下げ潮時ともに上に凸の部分が多く、光合成微生物の増殖と底質からのPO4-Pの溶出の影響と考えられる。

全リンの中で縣濁態リンの占める割合は、浜名湖側st.1、st.2(上げ潮、下げ潮の順)が24%、16%、新川が53%、41%、佐鳴湖が54%、39%で、新川と佐鳴湖がほぼ同じである。

無機態窒素

図10に新川と佐鳴湖の断面図を、図11に塩分との相関を示す。NH4-Nは、上げ潮では浜名湖側で大きく、佐鳴湖で小さい傾向がある。佐鳴湖の底層は25~70μgat/Lと大きく、底泥からの溶出のためである。下げ潮時は、上げ潮時よりも小さいが、佐鳴湖中央部の底直上には35μgat/Lの高NH4-N水が停滞し、底質からの溶出と考えられる。

NO2-Nは、上げ潮時、下げ潮時、ともに浜名湖側から上流にかけて大きい傾向がある。佐鳴湖の底直上水はやや大きな値である。

NO3-Nは、東神田川(st.7)からの流入が上げ潮、下げ潮ともに見られ、新川への負荷が大きいことが推察できる。この部分を除けば、上げ潮時は上流ほど大きく、下げ潮時は新川全域でほぼ同濃度である。佐鳴湖ではNH4-Nのような表層と底層の差はないが、上げ潮時の底層と底直上水を比較すると、底直上水の方が値が小さく、中央部では底層水が22μgat/L、底直上水が17μgat/Lである。これは嫌気的環境下で、底直上水のNO3の酸素が消費されるためと考えられる。

NH4-N塩分との相関から、新川では上げ潮時、下げ潮時ともに除去作用が働いていると考えられる。対角線の上部分は上げ潮時ではst.2,3の浜名湖側からとびうお橋までに外部負荷が、下げ潮時ではst.9旧新川の佐鳴湖の出口で佐鳴湖からの流出負荷が考えられる。佐鳴湖では、上凸は上げ潮時、下げ潮時ともに底層、底直上層で底質からの溶出負荷である。下げ潮で佐鳴湖から流出するNH4-Nは酸化されて減少し、新川は除去作用をしていると考えられる。

NO2-NとNO3-Nの傾向は似ており、上げ潮ではほぼ直線上にプロットされ保存性物質で除去作用は働いてはいないと考えられる。下げ潮時には塩分10‰に分布し、NH4-Nの除去はNO2-N、NO3-Nへの酸化作用と考えられる。NO3-Nの高いプロットはst.7東神田川合流点で川からの外部負荷である。佐鳴湖ではNO3-Nは負荷物質となっており、植物性プランクトンの増殖のための栄養塩に利用されている。NO2-Nの高いプロットは底層、底直上層でNH4-Nが酸化されて形態変化していると考えられる。佐鳴湖から流出する無機態窒素は、新川でNH4-Nには除去作用が働いているが、NO2-NとNO3-Nには上げ潮時は保存性物質となり、除去作用は働いてはおらず、下げ潮時には、外部負荷があると考えられる。

参考文献

1)新川の潮汐による水の移動―ブイ移動による調査― (辻野 HP)

2)新川下流域に流入する排水路と流入河川からの負荷量(辻野 HP)

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