MENU

タンポポ調査

  • HOME »
  • タンポポ調査

タンポポの生態と土地の開発

日本に見られるタンポポには在来種(和タンポポ)と外来種(洋タンポポ)に大きく分類されます。洋タンポポは外国から入ってきたタンポポの総称であり、和タンポポはもともと日本に定着していた在来種の総称です。現在はこの二つのタンポポの雑種が見られ、外見からの分類では、間違いもあるようですが、洋タンポポは外総包片がつぼみの時からめくれ、反り返って下に垂れているのに対して、和タンポポは外総包片はめくれておらず上向きに並んでいるので容易に区別ができます。洋タンポポは、明治時代にアメリカ人教師のブルックスという人が、北アメリカから種子を取り寄せ、北海道の函館で非常食用の野菜として栽培したのが始めといわれています。わが国ではタンポポを食用にする習慣は一部の人たちにはありますが、広まっているとはいえません。欧米ではサラダとして料理用のタンポポも栽培されています。洋タンポポが北海道に広がり始めたのは明治時代の終わり頃で、東京付近に見られ出したのは昭和のはじめ、戦後は全国的に爆発的に増えていきました。その繁殖力の強さには目を見張るものがあります。では、なぜ戦後洋タンポポは在来種の和タンポポを追い払うかのように分布を広げたのでしょうか。それは、この二つのタンポポの生態的な特性と日本の経済成長に伴う土地の開発の要因が関係しているのです。以下の実験・実習を通して洋タンポポと和タンポポの生態的特徴を調べ、分布のちがいから土地の開発と利用について考えてみましょう。

実験・実習内容


(1) 和タンポポと洋タンポポの判別方法 トップへ

外総包片をよく観察してスケッチしよう。

和タンポポ          洋タンポポ

 


(2) 種子の落下速度と質量  トップへ

目的 種子の落下速度と質量から種子の飛散のちがいを考える。
材料

準備

両種の種子を多数用意しておく。あらかじめ 和タンポポと洋タンポポの分布を知っておくことが必要となる。教員で入手が難しければ、事前に生徒に説明しておけば生徒の自宅近所から採集することができるので、事情に合わせて準備をする必要がある。
方法 1 実験台(机)を適当な距離におき両端から糸を張り、窓を閉め無風状態にし糸の上から1個ずつ自然落下させ、糸を通過してから床に着くまでの時間を測定する。両種とも個体数が多い方がよい。20個程度はできる。

2 落下速度を計算し、平均の落下速度を求める。クラス全員の結果から平均を出

した方がよい。

3 種子1個あたりの質量を化学天秤で測定する。一度に多数測定すればよい。

結果 落下時間と速さ   和タンポポ         洋タンポポ

NO 落下時間(s) 速さ(m/s) NO 落下時間(s) 速さ(m/s)
1.14 2.88
1.75 2.75
1.55 3.54
1.67 3.46
2.03 2.94
2.39 1.77
1.67 3.05
1.40 3.93
2.32 3.01
10 1.57 10 4.27
11 2.6 11 3.43
12 1.62 12 2.25
13 1.06 13 3.2
14 1.49 14 1.91
15 1.64 15 1.92
16 16
17 17
18 18
19 19
20 20
21 21
22 22
平均 1.708s 0.47m/s 平均 2.95s 0.27m/s


() 頭花の中の小花数と稔性率 トップへ

目的 頭花中の舌状花数と稔性率から種子を残こす可能性について考える。
方法 1 頭花を指でくずし、小花の数をすべて数える。

2 冠毛が伸び飛散する前の頭花を用意し、種子が結実しているかどうか

ひとつずつ指で押して調べる。結実していれば固く、結実していなけれ

ば中が中空なので区別できる。稔性率とは種子が結実している割である。

粘性率(%)=結実種子数/小花の総数 × 100

小花数(1頭花当たり)    和タンポポ      洋タンポポ

125 160

稔性率

和タンポポ 洋タンポポ
種子総数 92 110
結実数 39 87
稔性率 42.1 79.4


(4)生殖方法のちがい トップへ

目的 両種の有性生殖と無性生殖のちがいを調べる。
方法 両種の花のつぼみを用意し、子房を残すようにしてつぼみの上部をカミソリで切り取り数日間観察する。鉢植えしておくとよい。



(5)花粉の量と大きさ トップへ

目的 花粉を顕微鏡観察し、量と大きさから受精のしやすさについて考える。
方法 1 小花を1つとり葯をスライドガラスにのせ花粉の量を三段階に区分する。

区分 (多い 普通  少ない)数個観察し基準を決める。

2 スライドガラスに花粉を塗布し花粉の大きさをミクロメターで10個測定する。

花粉の大きさ          ミクロメーター一目盛りの長さ(   )μm

和タンポポ 和タンポポ 洋タンポポ 洋タンポポ
目盛り数 大きさ(μm) 目盛り数 大きさ(μm)
1 30 40
2 28 30
3 28 28
4 32 26
5 30 30
6 32 24
7 28 26
8 24 38
9 22 3
10 26 42
平均 28   32


(6)タンポポの生息する土壌調査 トップへ

目的 土壌のpH、含水率、有機物量から両種のタンポポの生息する土壌の性質のちがいについて考える。
方法 1 ビーカーにタンポポの生息する土壌と水を入れ、よく撹拌し上澄み液

のpHを測定する。

2 土壌が乾燥しないように実験室に持ち帰り、重量を測定する。蒸発皿かシャーレにその土壌を入れ、乾燥器で110℃で一定重量になるまで乾燥する。普通は24時間でよい。

含水率(%)=(はじめの重量―乾燥後の重量/はじめの重量)×100

3 有機物量(強熱減量) 乾燥後の土壌の重量を測定しておき、重量既知のルツボに正確に秤量した土壌を入れ、電気炉かガスバーナーで700℃~900℃で約2時間強熱する。デシケーターに入れ約1時間放冷し秤量する。一定重量になるまでこれを繰り返す。

強熱減量(%)=(乾燥後の重量―強熱減量後の重量/乾燥後の重量)×100

データにばらつきが多いので数点実施する。

和タンポポ 洋タンポポ
pH
含水率(%)
強熱減量(%)


(7)発芽実験 トップへ

目的 両種の発芽条件のちがいから繁殖力について考える。
方法 シャーレに綿、水を入れ、種子を一定数入れ定温器で約1週間保つ。

温度は10℃、20℃、30℃など低温から高温まで設定する。

結果       発芽率(%)

和タンポポ 洋タンポポ
10℃
20℃
30℃

考察

 

 

 

洋タンポポは10℃から20℃でよく発芽し、30℃でも発芽する。しかし、和タンポポは10℃から15℃でよく発芽し、20℃以上ではほとんど発芽しない。野外では洋タンポポは通年発芽が可能であるが、和タンポポは初夏から夏は気温が高く、地温が高くなり発芽には適さない。秋まで発芽しない。

(8)タンポポの分布調査 トップへ

目的 両種のタンポポの分布と土地の利用状況から開発と生き物の生息環境について考える。
方法 学校や自宅周辺の地図を用意し、地図上に和タンポポと洋タンポポの株数を記入していく。調査地点は土地の利用状況により判断する。住宅地などの開発地から草地、田畑などさまざまな土地で調査するとクラス全体でまとめるときに考察がしやすくなる。利用地の現場の状況を詳細に記録しておく。

結果 両種のタンポポの株数から分布率を求める。分布率と土地の利用状況から両種の分布の特性と開発について考える。

株数と分布率

年  月  日

地点

NO

 株数  分布率(%) 調査地点の状況

気づいたこと

和   洋 和   洋
1 0      81 0      100 駐車場
2 59    112 34.5   65.5 荒地
3 24      6 80     20.0 畑 荒地
4 8      28 22.2   77.8 洋らんセンター
5 54     30 64.3   35.7 学校グランド 東端
6 210   189 52.6  47.4 学校敷地内
7 351    12 96.7    3.3 路傍
8 285     0 100     0.0 路傍

参考文献 月刊アニマ 特集タンポポ戦争

 

PAGETOP
Copyright © エチオピア滞在記と佐鳴湖 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.